AI検索の計測
AIモードの広告は既存キャンペーンから配信される:見えない掲載面をどう測るか
GoogleのAIモードの広告には専用のキャンペーンがなく、既存のキャンペーンから配信され、成果も切り分けて見られません。公式情報と海外の解説をもとに現状と日本での提供状況を整理し、見えない掲載面を測る手順をまとめます。

この記事について
この記事でわかること
- AIモードの広告がどのキャンペーンから、どんな形式で配信されるのか
- なぜAIモードでの成果を切り分けて測れないのか
- 日本での提供状況と、今のうちに整えておくこと
AIモードに広告を出したい。そう思ってGoogle広告の管理画面を開いても、「AIモード用のキャンペーン」はどこにもありません。
GoogleはAIモード(Google検索の対話型のAI検索)で新しい広告の形式をテストしています。ただ、広告は既存のキャンペーンから配信され、AIモードに出た分の成果だけを取り出すこともできません。何が決まっていて何がまだなのかを、Googleの公式発表とSearch Engine Landなどの解説記事から拾い、日本の広告主が「見えない掲載面」をどう測るかを考えました。
出典:Google「Ads in AI Mode」、Leigh Buttrey「Google AI Mode ads: Everything you need to know」Search Engine Land(2026年10月9日)ほか。内容は2026年10月12日に各ページで確認したものです。
要するに、AIモードの広告は自分で「設定して出す」ものではありません。既存のキャンペーンを出すかどうかを、Googleが判断します。
専用キャンペーンはなく、既存のキャンペーンから出る
Search Engine Landの解説(Leigh Buttrey氏)によれば、Google広告にAIモード専用のキャンペーンはなく、AI Maxを有効にしてもAIモードの掲載面を選べるわけではありません。同記事によると、Googleは2025年5月の発表で、AIモードの広告テストの対象としてP-MAX(Performance Max)、ショッピング、部分一致を使う検索キャンペーン(AI Max for Searchを含む)を挙げていました。
Google自身も2026年5月のGoogle Marketing Liveで、新しい形式を使う土台としてAI Max for Search、AI Max for Shopping、P-MAXを整えるよう勧めています。「Ads in AI Mode」のページにも、新しい形式はAI MaxとP-MAXで動くとあります。
完全一致・フレーズ一致でも、小さな実験が始まった
2026年9月、通常の検索キャンペーンの完全一致・フレーズ一致のキーワードでも、AIモードにテキスト広告が出る実験が始まりました。Search Engine Landによると、Googleの広告担当リエゾンであるGinny Marvin氏はこれを「small experiment」(小規模な実験)と認め、対象は「explicit and direct user intent」(明確で直接的な意図)がある場合に限ると説明しています。どこまで広く行われているのか、恒久的な機能になるのかは示されていません。Highlighted Answersなどの新しい形式は、引き続きAI MaxとP-MAXの側です。
試されている形式は4つ
既存のテキスト広告・ショッピング広告に加えて、AIが回答に合わせて中身を組み立てる形式がテストされています。Googleの2026年5月20日の発表とSearch Engine Landの整理を合わせると、次のとおりです。
| 形式 | 内容 | 状態 |
|---|---|---|
| 既存のテキスト広告・ショッピング広告 | 対象のキャンペーンの広告がAIモードの回答の中に出る | テスト |
| Conversational Discovery ads | 質問に合わせて、Geminiが広告の内容を組み立てる | テスト |
| Highlighted Answers | AIモードがおすすめを並べるとき、その一覧の中に広告が入る | テスト |
| Direct Offers | 買い物の会話の中で、関連する割引などを出す | パイロット(2026年1月開始) |
Googleによると、Conversational Discovery adsとHighlighted Answersでは、Geminiが商品やサービスを評価・要約した説明が広告主のクリエイティブと並び、「スポンサー」の表示は続けるとのことです。
気になるのはHighlighted Answersです。AIの推薦と広告が同じおすすめ一覧に並ぶので、見る側も測る側も、自然な推薦と広告を分けて扱う必要が出てきます。
成果を切り分けて測れない理由
レポートにAIモードの区分がないうえ、AIモード以外の変化も同時に起きるからです。
Search Engine Landの解説は、AI Maxのレポートで拡張された検索語句・見出し・選ばれたランディングページなどは見られても、それはAIモードでの成果のレポートではない、と注意しています。AI Maxを有効にすると、マッチングの拡張、別のランディングページ、新しい広告文が一度に変わります。成果が良くなっても、AIモードのおかげとは言えません。
完全一致・フレーズ一致の実験も同じです。解説記事(Miraflow)によれば、AIモードでの配信は通常の検索と同じ行に合算され、切り分ける方法も、実験から外れる方法も示されていません。
AI概要(AI Overviews)の広告も参考になります。Google広告のヘルプは、AI概要の中に広告が出た場合の区分されたレポートは現時点で提供していないと明記しています。
Search Consoleの生成AIレポートでAIモードでの自然検索の表示回数は見られますが、Search Engine Landが指摘するとおり、それで有料広告のCPAやROASがわかるわけではありません。
「どれくらい広告が出ているか」も、測り方しだい
AIモードの回答にどれくらい広告が出るかの推計も、調べ方で大きく変わります。Search Engine Landは、SE Rankingの7月の調査として、米国の商用キーワード50,032件のAIモードの回答のうち29.45%にテキスト広告が出ていた(商品カルーセルを除く)と紹介しています。ただ、外部の推計は自社アカウントの状況ではありません。
日本ではまだ、公式情報が見当たらない
2026年10月12日時点で、日本でAIモードの中に広告を出せるとするGoogleの公式情報は見つかっていません。状況を分けると、こうなります。
AIモード自体は、日本語で2025年9月9日から順次提供されています(Google Japan公式ブログ)。
AIモードの広告は、Googleの発表では「テスト」「パイロット」の位置づけで、国の一覧は公開されていません。Search Engine Landも、AIモードが200以上の国と地域で使えることは、広告の形式がその国で使えることを意味しないと注意しています。日本でAIモードの中に広告が配信されることを確かめられる公式情報は、2026年10月12日時点で見つかっていません。自社のアカウントで配信されうるかは、Google広告の担当者に聞くのが早いです。
AI概要の上下の広告は事情が違います。Google広告のヘルプによると、AI概要が提供されている200以上の市場すべてで、既存の検索・ショッピング・P-MAX・アプリキャンペーンの広告がAI概要の上または下に表示されえます。
AI概要の中の広告は、同じヘルプによると今は英語で、米国・カナダ・インドなど12か国のみ。日本は入っていません。
日本の広告主に今すでに関係しているのは、AI概要の上下の広告です。AIモードの中の広告は、いずれ来るかもしれないものとして準備しておく段階だと私たちは見ています。
私たちの見方
ここからはRenpo AIO編集部の見解です。
掲載面ごとの数字は、来ないものと思っておく
AI概要の広告にも、Search Consoleの生成AIレポートにも、掲載面ごとのクリックは出てきません。AIモードの広告だけ例外になると期待するより、掲載面が見えなくても判断できる測り方を先に作っておくほうが確実です。広告は実験と事業側の成果(商談・新規顧客・粗利)で判断する。AI検索での見え方は、質問を決めて外から観測する。
自然な推薦と広告は、分けて記録する
Highlighted Answersのように、AIのおすすめ一覧に広告が入る形式が広がると、「AIに推薦された」の中身を分けて見る必要が出てきます。AIモードで自社や競合の出方を観測するなら、スポンサー表示のある枠と、回答の中で自然に推薦された枠は別々に記録しておく。そうすれば、広告の影響と自然な推薦の変化を取り違えずに済みます。
サイトとフィードは、広告にも自然検索にも効く
Search Engine Landの解説によると、AI Maxのテキストのカスタマイズや最終ページURLの拡張は、ドメイン・ランディングページ・既存の広告・キーワードを材料にします。AIが読む材料としてサイトや商品フィードを整えておくことは、AIモードの広告が日本に来る前からできる準備で、自然検索のAI対策とも重なります(→ AIに引用されるページの条件)。
今のうちにやっておくこと
1. 対象になりうるキャンペーンを一覧にする
部分一致・AI Maxを使う検索キャンペーン、ショッピング、P-MAXを洗い出します。専用のキャンペーンがない以上、これがそのまま「AIの掲載面に出うる在庫」の一覧です。日本ではAI概要の上下に既存キャンペーンの広告が出うることも、関係者と共有しておきます。
2. 判断の軸を、事業の数字に寄せる
問い合わせ・商談・新規顧客・粗利など、CRM側の成果を広告の成果と並べます。AI Maxを試すなら既存のキャンペーンと比べる実験として組み、何を確かめたいか(例:適格な問い合わせの単価)を先に決めておく。成果が変わっても「AIモードのおかげ」と説明しないこと。変えた設定は記録に残します。
3. AI検索での見え方を、質問を決めて観測する
- 自社名を入れない、顧客が選ぶ場面の質問を10本ほど決める(→ 自社がどう紹介されているかを調べる方法)
- AIモード・AI概要を含むAIごとに、自社と競合が回答に出たか、根拠になったか、どう推薦されたかを記録する
- スポンサー表示の枠は自然な推薦と分けて記録する
- 1回ではなく、同じ質問を繰り返したときの割合で見る(→ AIの回答はなぜ毎回変わるのか)
4. 日本での提供状況を、定期的に確かめる
Google広告のヘルプ(AI概要の広告の対象国など)と公式発表は、月に一度は見ておきます。担当者がいるなら、アカウントが実験の対象かどうかを直接聞いてしまうのが確実です。
掲載面が見えない以上、先に決めておくべきは測り方です。広告は実験と事業の数字で、AI検索での見え方は外からの観測で。そこまで用意しておけば、AIモードの広告が日本に来ても慌てずに済みます。
Renpo AIOは、ChatGPT・Gemini・Google AI概要・AIモードに同じ質問を継続して投げ、ブランドの露出・引用・推薦を割合で記録する分析ツールです。AI検索での見え方の基準線づくりにお使いいただけます。
参考資料
参考情報
内容の確認に使用した外部資料です。公開後に内容が変更される場合があります。
- business.google.comhttps://business.google.com/us/accelerate/announcements/ads-in-ai-mode/
- blog.googlehttps://blog.google/products/ads-commerce/google-marketing-live-search-ads/
- support.google.comhttps://support.google.com/google-ads/answer/16297775
- blog.googlehttps://blog.google/intl/ja-jp/products/explore-get-answers/ai-mode-search/
- searchengineland.comhttps://searchengineland.com/google-ai-mode-ads-everything-you-need-to-know-494628
- searchengineland.comhttps://searchengineland.com/google-tests-traditional-search-campaigns-in-ai-mode-487199
- miraflow.aihttps://miraflow.ai/blog/google-ads-ai-mode-exact-phrase-match-test-2026
Renpo AIO
自社がAI検索でどう見えているか、継続して測る。
ChatGPT・Gemini・Google AI概要・AIモードでのブランド露出と引用を、同じ質問で観測できます。
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